事業紹介

楽器保全事業

日本音楽財団は、設立20周年にあたる1994年より、名匠アントニオ・ストラディヴァリ及びバルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ(グァルネリ・デル・ジェス)製作の名器を収集し、それらを国際的に活躍している演奏家に無償で貸与する楽器貸与事業を開始しました。楽器の購入に際しては、楽器貸与事業を恒久的に実施していくという方針のもと、以下の4項目を条件としてきました。

1.
保存状態が良く、演奏に適していること
2.
世界的文化遺産として後世に遺す必要があること
3.
故事来歴がはっきりしていて真贋の懼れがないこと
4.
価格が市場と照らし合わせて適正であること

当財団が楽器を購入・管理し、貸与事業を実施することで、世界中の人々にその音色を届ける事が出来るようになりました。保有している弦楽器名器は、製作後約300年が経過しています。これらを永く次世代へ引き継ぐため、楽器の修理及び調整内容等について慎重に検討し、以下の点に留意し保全に努めています。

1.
3ヶ月に1回、名器の取扱に習熟している当財団指定の楽器商で楽器のコンディション・チェックを受けるよう貸与者に義務付けています。
2.
内1回は、当財団の楽器アドバイザーであるローランド・バウムガルトナー氏によるコンディション・チェックを貸与者に義務付けています。年に1回、同じ目でチェックすることで、楽器の状態を管理しています。
3.
指定楽器商からは、楽器の状態や修理内容に関しての報告と請求書が直接届き、記録として保管しています。
4.
貸与者には日常の楽器取り扱いに関する注意事項を文書で徹底するとともに、紛争地域や楽器に悪影響を与える高温多湿な地域への楽器の持込みを禁止しています。
5.
コンディション・チェックで貸与者の楽器取扱いに問題が確認された場合には、楽器保全の観点から貸与契約を打ち切ることがあります。
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